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          【 特集 ロットメタルを修理します!】
           その③ 小型4馬力用メタルの修理


 当工房では、オリジナルミニチュア石油発動機KOBASのほか、年代物・実機の石油発動機の部品修理等を行っております。
 ブログでは、これまでに『マグネトー』の修理について、連載して参りました。
 ここでは、発動機が運転中、もっとも摩耗しやすい部品のひとつ『ロットメタル』の修理を、前回「その②」に続いてご紹介いたします。



メタル修理 4馬力編
 今度は、小型4馬力発動機用のロットメタルの場合を見てみましょう。
(写真下:4馬力用のロットメタル。古いメタル(上)と、今回作り換えるメタル(下)。)
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(写真下:過去に使用された4馬力発動機の内部。油が回っていなかったために、メタルがすり減っており、少しガタがある状態。)
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(写真下2枚:メタルとシムを作り直して、交換した模様。ピッタリと良い感じ。)
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 運転時のガタ音がなくなり、良い運転音なりました。

 
 以上で、連載「ロットメタルを修理します!」は終了です。
 これまでの内容につきましてのご質問や、お手持ちの発動機のメタル換えについてのご相談・ご依頼は、お気軽に下記までどうぞ!
   ◎お問い合わせ◎ 
     担当:森下泰伸まで メールまたは、携帯090-4975-2362へ。



 次回の連載をお楽しみに~!!
 
by kobas2006 | 2009-12-22 08:58 | 【連載5】ロットメタル修理編

 【産業遺産 ためになる歴史小話】
              
  ディーゼル機関の歴史
                                  解説:森下泰伸


 ディーゼル機関は、ドイツのルドルフ・ディゼル(Rudolf Diesel)博士が作り上げたものである。

 彼はすでに10代のころ、ひとつのヒントを得ていた。
 それは、東南アジアに位置するスマトラ島で、古代原住民が使用した「火お越し」の道具である。
 スマトラ原住民の「火お越し」は、火打石とは違い、穴をあけた木製筒の先端を栓でふさいで、もぐさを使用して、これに火を付ける。
 幅数ミリの木製の押棒を、手で勢いよく押し込むと、乾燥したもぐさに瞬時に火を付けることができた。

 ディゼル氏がヒントを得たのは、この急激に圧縮して着火させる方法だった。

 彼はやがてカルノ理論を学び、蒸気機関と内燃機関の研究を進めていく。
 そして1893年、スイスのズルツァー滞在中、ある機械会社でディーゼル機関の原型を試作、失敗を繰り返しながら、1897年遂に完成させる。

 初期の圧縮着火は、コンプレッサーによって燃料を噴射した。
 (ボアxストローク 220x400)
 燃料噴射に20馬力コンプレッサーを使用し、始動時にも圧縮空気で回す仕様であった。
 
 1897年2月17日が、ルドルフ・ディーゼル氏によるディゼル機関「発明の日」であるとされる。
 この時代のディゼル機関は大型で、その後改良されながら現代に至り、小型化していく。

 一方、日本では、同じ頃(明治26年から30年頃)、『新潟鐵工所』が創業、『日本石油』が英国よりトラスチー機関を輸入、次いで海外で石油発動自転車が製造され、輸入されている。
 また、東洋で初めて、隅田川及び横浜港内で石油発動機船が試乗され、『池貝鐵工所』はスチームエンジンを製作、『伏田鐵工所』は英国製ケンチング・ナショナル・クロスレー型の瓦斯機関を摸作して製造し、発動機を作り始める。
 こうして、大正時代までに、「殖産興業」の国策のもと、国内でも発動機を製造する会社が、急速に増えていくことになる。

 
by kobas2006 | 2009-12-19 15:09 | 【ウォッチ!】日本の産業遺産
          【 特集 ロットメタルを修理します!】
           その② ヤンマーディーゼル「HF-6」26馬力


 当工房では、オリジナルミニチュア石油発動機KOBASのほか、年代物・実機の石油発動機の部品修理等を行っております。
 ブログでは、これまでに『マグネトー』の修理について、連載して参りました。
 発動機が運転中、もっとも摩耗しやすい部品のひとつ『ロットメタル』の修理を、「その①」に引き続きまして、ご紹介いたします。


メタル修理 手順⑤ 磨り合わせ
(写真下3枚: ロットに付けたメタルを、長時間かけて、少しずつ磨り合わせを行っている模様。)
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 この磨り合わせ作業は非常に大切です。
 クランクシャフトに取りつけた状態で、100%ガタがないようにする必要があります。
 ここにガタがあった場合、駆動の際、非常に危険です。
 4サイクル機関の吸入・圧縮・爆発の工程において、負荷は後側にかかりますが、ここに不具合があると、クランクを止めるロットにある、ポートナットのネジを噴きぬいて、後ろ側に飛んでしまう危険があります。
 実際昔は、こういったことが間々あったようです。
 発動機愛好家の皆様、十分ご注意ください。

メタル修理 手順⑥ 完成
(写真下2枚:調整模様。一度メタルをセッティングして、試運転させ直ぐ止める。ロットメタルをはずして、調整確認後、再び組みつける。こうして完成。)
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 いい感じですね。

 つづきは、その③をお楽しみに~。
by kobas2006 | 2009-12-17 09:51 | 【連載5】ロットメタル修理編

          【 特集 ロットメタルを修理します!】
          その① ヤンマーディーゼル「HF-6」26馬力


 当工房では、オリジナルミニチュア石油発動機KOBASのほか、年代物・実機の石油発動機の部品修理等を行っております。
 ブログでは、これまでに『マグネトー』の修理について、連載して参りました。
 今回は、発動機が運転中、もっとも摩耗しやすい部品のひとつ『ロットメタル』の修理をご紹介いたします。


(写真下:ヤンマーディーゼル「HF-6」26馬力。)
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 まずは、上の写真をご覧ください。
 今回、ロットメタルの修理を行う大型の発動機、ヤンマーディーゼル「HF-6」26馬力です。
 始動の際、ハンドルを使用することもありますが、ホイールを回すにはかなりの力が必要で、なかなか回りにくいため始動までに至らないこともあります。
 その場合、圧縮空気を利用して、始動させます。この方法は、明治時代から、大型の瓦斯発動機にも多用されました。

メタル修理 手順①
(写真下:天井クレーンを使い、ロットを吊り上げて、ピストンを抜く模様。)
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メタル修理 手順②
(写真下2枚:ピストンを引き抜いて、調整する模様。)
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メタル修理 手順③
(写真下2枚:メタルインゴット(写真1枚目左側)を割り、鉄製鍋に入れ、瓦斯バーナを使用して溶かす。)
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 メタルの量により、使用する鉄製鍋の大きさを決めます。
 溶かしたメタルへ注ぎ足しはできませんので、必要量を正確に、一度で溶かすことが大切です。
 鍋で溶かした後、メタルから出るカスは取り除きます。
 次に、メタルガイドに溶かし込み、冷えるまで自然に待ちます。その後ガイドからメタルをはずし、内径を削り込みます。
 メタルインゴットは数種類ありますが、当工房では、ディーゼル発動機や石油発動機などを種類別にし、メタルの種類をより分けて使用しています。

メタル修理 手順④
(写真下:内径を削り込んだメタルを、メタル削りの工具を使用して、クランクシャフトに合うように削り込む。)
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 これは手作業となるため、根気のいる、時間がかかる作業となります。


 つづきは、その②をお楽しみに~。
by kobas2006 | 2009-12-14 14:26 | 【連載5】ロットメタル修理編

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by kobas2006