カテゴリ:【報告】学校・教育イベント編( 5 )

  【報 告】
     「高校生ものづくり人材育成推進事業」へ技術サポート
           ~愛媛県立今治工業高等学校~
             第4回出張授業 その① 
                ~メタル製作実習~


 
 昨年度、『平成20年~22年度、文部科学省・経済産業省共同事業「高校生ものづくり人材育成推進事業」』の指定校である、愛媛県立今治工業高等学校(愛媛県今治市河南町)機械科より、技術サポートのご依頼を受け、当工房エンジニア森下泰伸氏が、年代物の石油発動機と、当工房オリジナル模型『KOBAS12馬力』1/4スケール完成品組立キットを携えて、出向。そして、年代物石油発動機の実機を使用して実習する運びとなりました。
 前回、2009年12月28日第3回目出張授業からの続きを、2010年6月2日第4回授業で行いました。その模様をご報告いたします。
  

 
 昨年度は、クボタAHC石油発動機の実機を完全解体し、その後、設計図がある程度出来上がりました。

 今年度のメイン課題は、本体・クランク・マフラー・小物パーツ・などの木型作りと鋳物製造、そして機械加工です。
 木型と鋳物は地元の鋳物工場のご協力を頂き進めていき、生徒さん達は、出来あがった鋳物を機械加工していく予定です。
 それには、少し日数がかかりますので、まず今回は、クランクの軸受けメタル作りと加工の実習を行いました。

(写真下:メタル材料となる素材「インゴット」。)
d0079522_1185996.jpg

 メタルは、用途に応じて、インゴット素材を選択します。
 その特性は、素材中の錫・アンチモン・銅・亜鉛・ヒ素・銀・鉛等の配合割合によって決まります。
 成分含有量により1種から10種あり、その他に特殊合金があります。 
 軸受けに使用されるホワイトメタルは、耐摩耗性と耐疲労性を有する特質があり、軸とのなじみがよく、焼付きを起こし難いのが特徴です。
 石油発動機では、上記写真手前のインゴットを使用しますが、これは錫などが少ないタイプです。
 ディゼルでは、錫・アンチモンが入っているタイプを使用します。

手順① メタルを溶かす
(写真下2枚:鉄の鍋に材料を細かく砕いて入れ、バーナで加熱しメタルを溶かす模様。)
d0079522_11264337.jpg

d0079522_1127196.jpg

(写真下:メタルが解け始めたところ。)
d0079522_112983.jpg


手順② 溶けたメタルを金型へ流し込む
(写真下2枚:溶けたメタルを金型へ流し込む模様。その後15分くらい自然冷却させる。)
d0079522_11335466.jpg

d0079522_11352065.jpg

 実際の軸受けの直径より大きめの金型に流し込みます。
 この作業時に気をつけることは、鉄鍋から少しずつゆっくり流し込むことと、メタルの種類にもよりますが温度400度~500度を目安とすることです。
 メタルが高温になりすぎるたり、作業の間違えると、出来あがったメタル内が穴だらけになってしまいます。

手順③ 金型からメタルを抜く
(写真下2枚:金型をエアーで冷ますと、メタルが簡単に抜ける。)
d0079522_1143266.jpg

d0079522_11435863.jpg


手順④ メタル原型の完成
(写真下:金型から取り出し、出来上がったメタル原型。)
d0079522_11464571.jpg

 これを旋盤で図面通りに加工すれば、メタルの完成です。
 メタル原型作りも、何個か作るうちに、生徒さん達はとても上手になりました。
 さすがです!


 つづきは、その②をお楽しみに~!
by kobas2006 | 2010-06-10 11:58 | 【報告】学校・教育イベント編
  【報 告】
     「高校生ものづくり人材育成推進事業」へ技術サポート
           ~愛媛県立今治工業高等学校~
             第3回出張授業 その② 
        ~発動機の構造とその働きについて詳しく見てみよう~


 
 『平成20年~22年度、文部科学省・経済産業省共同事業「高校生ものづくり人材育成推進事業」』の指定校である、愛媛県立今治工業高等学校(愛媛県今治市河南町)機械科より、技術サポートのご依頼を受け、当工房エンジニア森下泰伸氏が、年代物の石油発動機と、当工房オリジナル模型『KOBAS12馬力』1/4スケール完成品組立キットを携えて、出向。そして、このたびは、年代物石油発動機の実機を使用して実習する運びとなりました。
 前回、2009年12月28日第3回目出張授業その①の続きをご報告いたします。
  

 
  実習機となった石油発動機「クボタAHC」(昭和20年代製造)のマフラー、ヘッドを外して、本体を3ブロックに分けた後、生徒さんは2グループ分かれて作業を進めます。
(写真下2 枚:分解したヘット・キャプをさらに細かく分解し、周辺をていねいに掃除している模様。)
d0079522_18431210.jpg

d0079522_18433017.jpg

(写真下:こちらのグループは、本体の分解に取り組む。プーリ抜きを使用して、両ホイールをクランクシャフトから抜いている模様。)
d0079522_18451378.jpg

(写真下:引き抜いたクランクシャフトをていねいに掃除する。)
d0079522_18461746.jpg

(写真下2 枚:本体のガバナーカバーを外し、続いてガバナーを外して本体の外に出し、洗ってきれいにする。)
d0079522_18484522.jpg

d0079522_18485516.jpg

(写真下:2グループの生徒さんたちが分解し、掃除し、仕上げた部品。写真左側から、マフラー、ヘット、キャプ、中ほどがピストン。ガバナー、キャプの吸い込み口、ロッカアーム、本体の一部は分解していないが、そのほか、クランクカバー、両ホイール、ギァーなど含めて、テーブルに置いたパーツは全部で174点。)
d0079522_18544891.jpg

 どれも煤などで黒くなっていましたが、生徒さん達が、丁寧に、時間をかけて掃除したおかげで、見違えるほどきれいになりました。
 森下氏の目視では、極端な摩耗もなかったそうです。

 これで、今回の授業は終了~。

 今後は、何点かのパーツを鋳物で作り、それを生徒さんたちが工作機械で加工し、石油発動機を組み立てた後、始動させる計画です。

 みなさん、お疲れ様でした!
 写真からも伝わってくるように、本当に真面目で、りっぱな生徒さんたちだと思います!
 みなさんの成長をとても楽しみに、大いに期待しております。
 これからも、引き続き頑張って下さいね。
by kobas2006 | 2010-01-20 19:25 | 【報告】学校・教育イベント編
  【報 告】
     「高校生ものづくり人材育成推進事業」へ技術サポート
           ~愛媛県立今治工業高等学校~
             第3回出張授業 その① 
        ~発動機の構造とその働きについて詳しく見てみよう~


 
 『平成20年~22年度、文部科学省・経済産業省共同事業「高校生ものづくり人材育成推進事業」』の指定校である、愛媛県立今治工業高等学校(愛媛県今治市河南町)機械科より、技術サポートのご依頼を受け、当工房エンジニア森下泰伸氏が、年代物の石油発動機と、当工房オリジナル模型『KOBAS12馬力』1/4スケール完成品組立キットを携えて、出向。そして、このたびは、年代物石油発動機の実機を使用して実習する運びとなりました。
 前回の第2回目(2009.10.8.)に続く、第3回目出張授業の模様をご報告いたします。
  

 
 去る2009年12月28日、今治工業高等学校にて、ものづくり講座3回目を実施しました。
 講師を務める森下泰伸氏のスケジュールの都合上、歳の暮れも押し迫る、冬休み中の実習になってしまいましたが、にもかかわらず、大勢の生徒さんが出席して、一生懸命取り組みました。

 実習の実験機として使用するのは、クボタAHC(昭和20年代製造)。
 今日はこれを、生徒さん全員と、解体していきます。

 まず、分解の順序を説明してから、作業開始!

 最初に、昔からの汚れ等がついたままの発動機をきれいにする事からはじめます。
 次に、発動機を本体の外側から解体していきます。
(写真下2 枚:今治工業高等学校の生徒の皆さんと先生方。発動機のマフラー・キャップ付きヘッドを外している模様。)
d0079522_10423372.jpg

d0079522_10424619.jpg

 マフラー・ヘッドを外して、本体を3ブロックに分けます。
(写真下2 枚:ここから、生徒さんは2グループ分かれて作業。バイス付き作業台にヘッドを置き、ヘッドからキャプをはずし、キャプの解体作業を行っている模様。)
d0079522_10453215.jpg

d0079522_10454316.jpg

 みんな、いい表情をしていますね!

 つづきは、その②をお楽しみに~。
by kobas2006 | 2010-01-12 10:58 | 【報告】学校・教育イベント編
  【報 告】
     「高校生ものづくり人材育成推進事業」へ技術サポート
           ~愛媛県立今治工業高等学校~
               第2回出張授業


 
 『平成20年~22年度、文部科学省・経済産業省共同事業「高校生ものづくり人材育成推進事業」』の指定校である、愛媛県立今治工業高等学校(愛媛県今治市河南町)機械科より、技術サポートのご依頼を受け、当工房エンジニア森下泰伸氏が、年代物の石油発動機と、当工房オリジナル模型『KOBAS12馬力』1/4スケール完成品組立キットを携えて、出向して参りました。
 前回の第1回目(2009.9.29.)に続く、第2回目出張授業の模様をご報告いたします。
  

 
 2009年10月8日(木)、 前日から台風18号が土佐沖を通過し、四国直撃を心配していましたが 大きな被害もなく、ほっと一安心。
 前回同様、森下泰伸氏は鋳物会社社長とともに、予定どおり午後から学校に出向いて、石油発動機・第2回目出張授業を開催いたしました。 
 さらに今回は、未来の技術の担い手となる青年たちへ期待を込めて、実習用石油発動機として、森下氏からは「クボタBHB」型鋳物会社社長からは「クボタAHC」型、以上合計2台の年代物石油発動機が、今治工業高等学校へ贈呈されました!
(写真下2 枚:今治工業高等学校へ贈呈する年代物石油発動機をユニック車から降ろしたところ。)
d0079522_345427.jpg

d0079522_3455479.jpg


 さあ、さっそく、贈呈の石油発動機を始動させる実習がはじまりました。
 慣れないうちは、エンジンのかかるタイミングがなかなかつかめなかった生徒の方も、手動調整しながら動かすことのアナログ的な面白さを、十分実感して頂けました。
 現在、多くの工業製品がデジタル化されて便利になり、その反面、内部構造がブラックボックスと化してしまい、気軽に内部を、見たりつついたり出来なくなった時代。
 それらに比べると「無骨で露骨」に見えるかもしれない石油発動機は、触ると反対に、「ものづくり」の本能がくすぐられます!
(写真下2 枚:生徒さん、教員方が、軍手をはめて、一人ずつ、石油発動機を始動させている模様。)
d0079522_422186.jpg

d0079522_423442.jpg


 続いて、当工房オリジナル模型『KOBAS12馬力』1/4スケール完成品が登場。
 同様に始動させ、今回はさらに、作業機械として、「コーヒーミル」をベルトで『KOBAS12馬力』1/4スケール完成品にセットして、実働させてみました。
(写真下:『KOBAS12馬力』1/4スケール完成品を始動させる。) 
d0079522_4195928.jpg

(写真下2 枚:コーヒーミル上部から少しずつ豆を投入し、挽かれたコーヒーが下部の小箱に一杯になったところで、生徒さんが手早く交換。)
d0079522_4204969.jpg

d0079522_4213233.jpg

(写真下:ホッパー内の水が沸騰して、少なくなったら、すぐに補給。) 
d0079522_4223742.jpg

(写真下:最後に、挽いたコーヒーに先生がお湯を注いで下さり、みんなでコーヒータイム~。) 
d0079522_4263638.jpg


 もうすぐ開催される学校の文化祭で、生徒さん方が石油発動機を回して、披露されることになりました。
 楽しみですね。

 今後は、贈呈しました石油発動機を総分解して、図面を引き、本体・パーツなどを鋳物で作り、機械加工し、組み立てて完成させることを課題に、取り組むことが決定しました。 
d0079522_4341761.jpg

 
 みなさん、これからもいっしょに、がんばっていきましょう~!
by kobas2006 | 2009-10-10 04:47 | 【報告】学校・教育イベント編
  【報 告】
     「高校生ものづくり人材育成推進事業」へ技術サポート
           ~愛媛県立今治工業高等学校~
               第1回出張授業


 
 2009年9月29日(火)、『平成20年~22年度、文部科学省・経済産業省共同事業「高校生ものづくり人材育成推進事業」』の指定校である、愛媛県立今治工業高等学校(愛媛県今治市河南町)機械科より、技術サポートのご依頼を受け、当工房エンジニア森下泰伸氏が、年代物の石油発動機3台と、当工房オリジナル模型『KOBAS12馬力』1/4スケール完成品組立キットを携えて、出向して参りました。
  



 まずは、この写真をご覧ください。
d0079522_1219229.jpg

 これは、昨年、愛媛県立今治工業高等学校機械科の生徒さんたちが、『高校生ものづくり人材育成推進事業』プロジェクトの一環として製作し、完成させた「小型蒸気機関車」の模型です。
 JR今治駅にも展示された、本当に「蒸気」で走行するSL模型なんです。
 すごいでしょう?
 製作に当たっては、まず最初に、試作として空気圧で走行するSL模型を製作し、次に、メーカーの技術サポートを受けながら、この蒸気で走行するSL模型を完成させたと伺いました。
 
 そして、今年からは、2年位の予定で、「石油発動機」の模型を製作されたいとのこと
 機械科の先生方、本当に良いところに目を付けられました!
 石油発動機の仕組みを学び、鋳物部品を機械加工し、組み立て、燃料で駆動させることができれば、フォーサイクルエンジンの基本が、最初から最後まで習得できます。
 
 では、早速、その記念すべき第1回目の授業模様をご報告いたします。
  
(写真下:最初に、森下泰伸氏がご挨拶させて頂き、内燃機関やその歴史について説明。)
d0079522_1344839.jpg


 続いて、今回持参しました石油発動機、年代物の実機3台(「リトルジャンボ」1馬力半(アメリカ製)、「シバタ」1馬力半、「クボタ」4馬力)と『KOBAS12馬力』1/4スケール完成品組立キットを、生徒のみさなんに見て頂きました。
(写真下2枚:「クボタ」4馬力を始動させ、後ろ側のクランクカバーを開けて、内部の動きを見てもらいながら、内燃機関の説明をする。パンパンパンと音をたてながら動く石油発動機を初めて見る生徒さんたちも多かった様子。)
d0079522_13103525.jpg
d0079522_13104554.jpg


 展示した『KOBAS12馬力』1/4スケール組立キットで、石油発動機の部品・パーツを説明しました。
 『KOBAS12馬力』1/4スケールは、実機『KOBAS12馬力』を忠実にスケールモデル化したものですので、鋳物製の大きな部品や細かいパーツに至るまでとても精巧で、生徒の方々も実感が沸いてきます。
(写真下3枚:森下氏が『KOBAS12馬力』1/4スケール組立キットを使い、生徒さんに部品やパーツを説明している模様。生徒のみなさんの目が、とても良いですね~。)
d0079522_13192176.jpg
d0079522_13193037.jpg
d0079522_13194111.jpg


(写真下2枚:授業の終わりには、低速発動機と自動車エンジンの動き方の違い等のお話もし、最後に、今回同行してくださった、今治市内の鋳物会社社長さんからもご挨拶を頂き、授業は無事終了。)
d0079522_13301689.jpg
d0079522_1330261.jpg


(写真下:授業終了後のミーティング模様。)
d0079522_13371843.jpg

 生徒さんたちが石油発動機を製作していくに当たり、まず年代物の石油発動機をレストアするところから始めるか、最初から制作していくかを協議しました。
 それが決まり次第、今後の課題を作成していく予定です。

 ぜひみなさま、このプロジェクトが成功しますよう、愛媛県立今治工業高等学校の生徒のみなさんへの応援を宜しくお願い申し上げます!
by kobas2006 | 2009-10-07 14:07 | 【報告】学校・教育イベント編

小林喜久子【コバスモデルエンジニアリング代表】元発動機専門メーカーの女性直系子孫が石油発動機エンジン模型を製造販売 


by kobas2006