カテゴリ:【連載3】箱型マグネトー修理( 2 )


    【 KOBAS「コイル巻線機」特集 ~箱型マグネトー修理編~ 】
      ~「箱型マグネトー」用コイルを巻く・年代物石油発動機~
             その② 含侵と乾燥~組み立て 


 ~前回までの連載~
2008年12月に完成したKOBASオリジナル「コイル巻線機」を利用して、これまで、連載・第1弾当工房ミニチュア石油発動機KOBAS用コイル巻き、連載・第2弾年代物・実機の石油発動機の『回転マグネトー』の修理、をご紹介してまいりました。
 新連載・第3弾となる今回は、いよいよ、日本製「箱型マグネトー」の修理をご紹介しています。


~含侵~(箱型マグネトー用コイル)
 古い「箱型マグネトー」内部のコイル2個を取り出し、新しく巻き直した後、含侵作業にはいります。
 含浸作業でコイル内部の空気を抜くと、コイル巻きの際に使用したニスが、完全に浸透する効果が得られます。
 しかし、コイルは幾重も巻いてあり、コイル中心部ほど、空気は抜けにくいため、時間をかけて含侵を行います。
 (写真下:「箱型マグネトー」用コイルを、耐熱ガラス製真空容器に入れ、含浸を開始。内部圧力は、0.05hPa(ヘクトパスカル)。約9時間かけて、空気を抜いていく。)
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 (写真下: 含侵を開始した「箱型マグネトー」用コイルから、気泡が出始めた様子。)
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~乾燥~(箱型マグネトー用コイル)
 「箱型マグネトー」用コイル2個に、約9時間含侵を行った後、乾燥させます。
 このとき、わずかでも空気が残っていると不良品となり、恐らくマグネトーは何ヶ月も持ちません。
 含侵作業で、完全に空気を抜いた上で、乾燥させることが大切です。そのためにも、コイル巻きの際、コイルを緻密に巻き、さらに空気を遮断するよう絶縁紙を巻くことに、細心の注意が必要です。
 (写真下:含侵が終わった「箱型マグネトー」用コイルを、乾燥機で約10時間乾燥させる。)
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~抵抗値測定~(箱型マグネトー用コイル)
 (写真下:「箱型マグネトー」用コイルの乾燥終了後、組み立て前に抵抗値を測定する。結果は、10Kオームで合格!)
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~「箱型マグネトー」の組立て~
 いよいよ、完成した新しいコイル2個を、分解した「箱型マグネトー」内に再び収め、組み立てます。
 (写真下:青線より左は古い「箱型マグネトー」の分解パーツ、右は新しく完成したコイル、絶縁紙、当社開発の磁石。古い「箱型マグネトー」には磁石が8枚入っていたが、均一な磁気が得られないため、自社で新たに開発した磁石に交換し、組み立てる。)
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 (写真下:分解し、オーバーホールした古い「箱型マグネトー」の組み立てが完了。「箱型マグネトー」専用の着火テスト機(年代物)にてテスト。この着火テスト機はとても珍しく、「ユンケル発動機」で有名な元『溝口製作所』の方から、平成5年頃に譲り受けたもの。)
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~「箱型マグネトー」の点火試験~
 最後に、点火試験を行い、「箱型マグネトー」の修理は完了です。
 どんな火花が出るでしょう~!
 (写真下:NGKプラグにて点火試験。)
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 (写真下:アメリカ製チャンピオンプラグにて点火試験1。)
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 (写真下:アメリカ製チャンピオンプラグにて点火試験2。)
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 これで、古い「箱型マグネトー」は、見事に蘇りました!
 石油発動機に取り付ければ、りっぱな現役点火装置として、作動します。

 以上で、「箱型マグネトー」の修理について、連載は終了です。
 これまでの内容につきまして、ご質問は、お気軽に下記までどうぞ!
   ◎お問い合わせ◎ 
     担当:森下泰伸まで メールまたは、携帯090-4975-2362へ。


 また、次回からは、「回転マグネトー」の変種修理に挑戦します!
 順次連載して参りますので、引き続きまして、お楽しみに~!!
by kobas2006 | 2009-02-17 14:26 | 【連載3】箱型マグネトー修理

    【 KOBAS「コイル巻線機」特集 ~箱型マグネトー修理編~ 】
      ~「箱型マグネトー」用コイルを巻く・年代物石油発動機~
                     その① 


 お待たせいたしました!
 2008年12月に完成したKOBASオリジナル「コイル巻線機」を利用して、
これまで、連載・第1弾当工房ミニチュア石油発動機KOBAS用コイル巻き、
連載・第2弾年代物・実機の石油発動機の『回転マグネトー』の修理
をご紹介してまいりました。
 新連載・第3弾となる今回は、いよいよ、日本製「箱型マグネトー」の修理をご紹介いたします。

 (写真下:今回修理する、古い「箱型マグネトー」。この「箱型マグネトー」は内部コイルの通電がなく、全く火が出ないため、分解し、内部にあるコイル2個の巻き替えを行う。)
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~紙筒の用意~
 (写真下:「箱型マグネトー」用コイルは、直接鉄心に巻かず、鉄心が入る大きさの紙筒に巻いていく。そのため、まず「箱型マグネトー」用コイルの鉄心に、必要な紙筒を用意する。この紙筒には、プラスチック素材などでない、絶縁性の高い素材を選ぶことが大切。)
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~コイル一次線~
 (写真下:「箱型マグネトー」用コイルの一次線を巻く。コイル巻きの要領は、前回連載した「回転マグネトー」と同じ。 参照:「回転マグネトーを修理します!その①」 )
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~コイル二次線~
 「箱型マグネトー」用コイルの二次線巻きには、ポイントがあります。(もしここで、「回転マグネトー」用と同様に巻いてしまったら、通電しません。)
 「箱型マグネトー」の内部は、2個のコイルが並列しているため、その構造は、「上部に『棒磁石』、左右に『鉄心』」です。
 このため、左右2個のコイルの巻き方を変えて、磁気N-Sが正常に流れるようにします。
 また、「箱型マグネトー」は、「回転マグネトー」より電気が逃げやすく、火が小さくなりやすいため、絶縁に注意し、仕上げる必要があります。
 (写真下:「箱型マグネトー」用コイルの一次線を巻き終わり、続いて二次線を巻いていく。)
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 (写真下:「箱型マグネトー」用コイル2個が巻き上がる。 『磁気』と『絶縁』に、特に注意しながらの作業。)
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 次は、巻き上がった「箱型マグネトー」用コイルに真空含浸を行い、乾燥後、通電試験を行います。

 どのような火花が出るか、次回「その②」をお楽しみに~!
by kobas2006 | 2009-02-09 12:54 | 【連載3】箱型マグネトー修理

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by kobas2006