2009年 01月 26日
【特集】回転マグネトーを修理します!その②~KOBASオリジナル 『コイル巻き線機』を利用~
【 KOBAS「コイル巻線機」特集 ~回転マグネトー修理編~】
~年代物石油発動機・回転マグネトー用コイルを巻く~
その②
今回、当工房では、2008年12月に完成したKOBASオリジナル「コイル巻線機」を利用して、当工房ミニチュア石油発動機KOBAS用コイルのほか、年代物・実機の石油発動機の『箱型マグネトー』、『回転マグネトー』の修理を行いました。
前回ブログ、『回転マグネトーを修理します!その①』からの続きをご紹介します。
昔(戦前~戦後)の「回転マグネトー」は、品質があまり高くなく、当時、たびたび故障し、不良品が多いものでした。
(初めて、国産で「回転マグネトー」が製造されたのは、昭和初期ごろで、その後各メーカーは模索の中で、技術力を高めながら製作されました。)
「回転マグネトー」内部のコイルを巻く『コイル巻線機』は、コイルが鉄心に何千回と巻かれる中で、極細のコイルを切ることなく、緻密に巻ききることが、最大のポイントであり、それを使い、品質の高いコイルを完成させるためには、エンジニアの技術力も必要です。
(写真下:KOBASオリジナル「コイル巻線機」。
回転マグネトー用コイルに1次線4段を巻き終わり、続いて2次線径0.05㎜を巻き始める。「巻線機」右手の「拡大レンズ」を通して、極細コイルを扱う。
「巻線機」左側面にある歯車は、線径により切り替え、正確な幅寄せが可能。
左手前の黒いノブは、進行方向を逆にする切替レバー。コイルを一段巻き終わると、ニスを塗り、絶縁紙を巻き、進行方向を逆にして再び巻き始める。)

(写真下:2次線コイルの最終18段目。全部でコイルを8500回巻く。
ちなみに、コイルは「線径」と「巻数」により抵抗値が変わるため、これよりやや大きい線径を使用すると、満足な抵抗値を得るために12000回以上15000回位巻く必要があり、そのため完成品コイルの径が大きくなる。)

(写真下:2次線コイルを巻き終わり、絶縁紙を巻く。コイルの中央に、「高圧コード取り出し金具」をハンダ付けし、最後に、もう一度絶縁紙を巻く。)

(写真下:「高圧コード取り出し金具」を取り付け、絶縁紙を巻いた上に、布テープを貼る。)

(写真下:「回転マグネトー」用コイル巻きはこれで完了。)

次は、通電を確認して、含浸作業に入ります。
つづきは、次回「その③」をお楽しみに~。