2008年 12月 27日
【特集】KOBASオリジナル・専用 『コイル巻き線機』完成!その②
【祝!完成 KOBAS製「コイル巻き線機」特集 その②】
~石油発動機・KOBASマグネトー用~
2008年12月に完成したKOBASオリジナル「コイル巻き線機」は、当工房エンジニア森下泰伸氏(NPO発動機遺産保存研究会所属)を中心に、2008年3月頃から、古い足ふみミシンを利用する形で設計をはじめ、10月に機械加工、11月に組み立てまで仕上がり、操作性の良い、優れた装置となりました。
森下氏は、KOBASミニチュア石油発動機開発当初から、点火装置となる箱型マグネトーの小型化に苦心、また実機の石油発動機をレストアする際、長年の放置で劣化した箱型マグネトーでは満足な点火がえられないという現状を前に、新しい独自の「コイル巻き線機」の必要性を、切に感じられました。
そのため、昨年より、地元で、昭和初期からコイルの巻き換え等を稼業とされていた方に、技術を教わってこられました。
その方は、かつて、『ワイコーマグネトー』や『澤藤マグネトー』の修理やコイルの巻き換え等をされたご経験があり、彼独特の巻き上げ処理は、当時非常に調子良く作動したとのこと。ご所有の古い「手動式コイル巻線機」は、大変興味深く、参考になったそうです。
KOBASオリジナル「コイル巻き線機」は、小型モーターで駆動。(補助的に手動巻きも可能。)
最大のポイントは、極細のコイル線(一次線・線径0.5~0.8ミリ、二次線・線径0.05ミリ)に対して、精密な「幅送り」を行い、チャクに水平固定された鉄心に、コイル線を直角に巻き込むこと。
巻き始めはゆっくりと、三巻き目位から徐々にスピードアップするよう、回転速度が自由に変えられる工夫がしてあります。
(写真下:コイル一段目の巻き終わり。ニスを塗り、絶縁紙を巻き、二段目に入る。鉄心軸の手前、案内ローラーが自動幅送り装置。線径の小さいコイル巻きを行うため、40W豆球を照明に付けてある。)

(写真下:コイル二段目が巻き終わったところ。)

つづきは、次回「その③」をお楽しみに~!