2008年 11月 20日
『小林式木炭ガス機関』実地勉強会with西日本工大学生を開催~!
小林式木炭ガス発生機と木炭ガス発動機
~昭和の産業遺産を卒論へ~
去る2008年11月15日(土)16日(日)、卒業論文に励む、西日本工業大学機械システム工学科池森研究室の4年生3人が、小林式木炭ガス機関の実地調査を行うため、現在実働可能な唯一の機械を所有する、香川県の杉山さん宅を訪れることとなり、不肖私も現地に馳せ参じました!
~小林式木炭ガス機関とは~
小林式木炭ガス機関は、小林式木炭ガス発生機と小林式木炭ガス発動機で構成され、昭和初期から終戦直後まで、国内外で活躍したガス機関です。
小林式の特徴は、木炭ガス発生機で木炭を不完全燃焼させて、多量の水素ガスを発生させ、その爆発力を利用して、12馬力以上の中~大型発動機を駆動させたことで、当時稀な威力を持つガス機関として、農林省から補助金付として認定を受けました。
初日15日は、学生さんたちが実際に、小林式木炭ガス機関を木炭で稼働させました。
(写真下:所有者杉山さん(手前)のご指導のもと、燃料の木炭をハンマーで4~5センチに割る、学生さんたち。)

純度の高い良好な木炭ガスが出始めたのを確認後、木炭ガス発動機を見事に始動させ、安定運転に成功しました!
私も、前回日本機械学会で発表した内容を踏まえて、ご指導しながら、いっしょに勉強させて頂きました~。
二日目16日は機関を分解し、寸法と構造の調査を行いました。
(写真下3枚:小林式ガス発生機を分解調査中。四国在住の発動機愛好家の方々が応援にお越しくださり、調査にご協力くださいました。本当にありがとうございました!)



(写真下:高校2年生の藤岡君と御祖父のお二人が訪れて下さいました。杉山さんが新しくレストアされた、「小林式石油発動機」12馬力を、ガソリンで駆動させて頂きました。)

せっかくなので、合間に、私も小林式発動機『KOBAS12馬力』1/4スケールを出して、小林式木炭ガス発動機とツーショット写真を撮りました~。
(写真下:私が生まれるずっと前に、父や祖父が作った「小林式木炭ガス発動機」と私。)

(写真下:小林式ガス発動機(奥)と小林式発動機『KOBAS12馬力』1/4スケール(手前)。)

この日、応援にお越しくださった発動機愛好家のお一方が、小林式発動機『KOBAS12馬力』1/4スケール 組立キット をご購入くださいました。
「(小学校高学年になる)孫の男の子といっしょに組み立てたいので、クリスマスまでに納品を。」とおっしゃり、組立キットをお孫さんへのクリスマスプレゼントにして下さるなんて、本当に光栄で、とてもうれしいです!
ありがとうございました!!
世代を渡り、技能技術の伝承さながら、こうして「ものづくり」の楽しさとすばらしさが伝わっていくことこそ、目に見えない最上のプレゼントになってくれるのではないかと思います。
『本当に大切なことは、目では見えない、心の目で見なくちゃ。』というセリフが子供の絵本にあったように思いますが、それこそを、当工房が伝えていくことができたら・・・、と願っています。
杉山さんには、今回も快く調査にご協力いただいた上に、おいしいご当地讃岐うどんなどもご馳走になり、本当にありがとうございました!
西日本工大学生諸君は、しっかり実地実測調査ができましたでしょうか?
卒論発表、楽しみに視聴にいきますので、しっかりがんばってくださいね!!