【参加報告③】 『つくで高原!発動機祭り!』 (愛知県新城市作手)

~(3)認定「機械遺産」 ヤンマー小形横形
  水冷ディーゼルエンジン『HB形』が登場~



 2007年11月11日(日)開催、「第23回つくで祭り」協賛『つくで高原!発動機祭り!』(愛知県新城市作手)では、2007年夏、日本機械学会で認定「機械遺産」8号となった ヤンマー小形横形水冷ディーゼルエンジン『HB形』 の同型が、運転・展示されました!
 (同じく、2007年夏の日本機械学会では、我らが池森寛教授(西日本工業大学)も表彰されましたね。おめでとうございます!!)

 所有者は、この発動機祭りの運営責任者・森下泰伸氏(発動機遺産保存研究会所属、当工房エンジニア)です。
 現在、日本国内に3・4台しか残っていないと言われる初期同型うちの、本当に貴重な一台ですが、森下氏のオーバーホールにより、ちゃんと駆動します。

(写真下:ヤンマー小形横形水冷ヂーゼルエンヂン『HB形』、5馬力/550回転。)
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 解説/所有者・森下泰伸氏:
『このヤンマー小形横形水冷ヂーゼルエンヂン『HB形』は、昭和8年、山岡發動機工作所(現ヤンマー株式会社)が開発した、世界初の小型ディーゼルエンジンです。
 昭和7年3月、当時の山岡社長自ら、ドイツに赴き、メッセ(見本市)でMAN社(当時)のPR映画でディーゼルエンジンの安全性、燃費の良さに心を打たれ、帰国後開発をはじめますが、すでに国産化が進んでいた船舶用の大型ディーゼルエンジンを、農業用に小型化する開発は困難を極め、試行錯誤の果てに、昭和8年12月23日、この横形5馬力HB形の完成に至りました。
 そして、ここから、国産小型ディーゼルエンジンの歴史が幕を開け、後に、同社は同日を「ディーゼル記念日」と定めたほど、画期的な開発となりました。』

 

~山岡發動機工作所と小林兄弟鐵工所の接点~

 森下氏の解説を伺い、歴史を感じました。

 昔、私が父から聞いた話ですが、私の祖父は取り引きの関係で、よく大阪へ行っていたそうですが、あの当時、大阪の山岡發動機工作所の方が、ときどき広島の小林兄弟鐵工所にも来られていたそうです。(すでに呼称は、「ヤンマー」さん、だったそうです。)
 昭和8年といえば、「小林式発動機」は最盛期を迎えるころで、父はちょうど広島県立工業学校を卒業後、家業を継ぎ、木炭ガス発生炉と木炭ガス発動機の開発製造に邁進しはじめたころ。
 当時国内の燃料不足から、山岡發動機工作所は、燃費の良い「ディーゼル」の開発を、祖父や父は、エコロジーな木炭を利用した「小林式木炭瓦斯発動機」の開発を進めていた時代だったんですね。
 「小林式木炭瓦斯発動機」は、昭和11年以降、国家性能試験をパスして「農林省補助金付」となりますが、戦後、木炭ガス発動機自体が、時代のニーズに合わなくなり終焉を迎え、反対に小型・軽量化に成功したディーゼルはますます盛んになっていったわけですが、いつの時代も、歴史の交錯のなかで、そういう交差があるものです。
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(写真上: 現存する「小林式サクションガス機関」。左が『小林式木炭瓦斯発生機』、右が『小林式木炭瓦斯発動機』。写真提供/西日本工業大学)


~日本機械学会認定「機械遺産」~ 

 2007年、日本機械学会の認定「機械遺産」となったもののなかには、最近の鉄道ブームやSL模型で人気のある「230形233号タンク式蒸気機関車」、「東海道新幹線0系電動客車」をはじめ、マツダの「10A型ロータリーエンジン」、「ホンダCVCCエンジン」など自動車好きの私もよく知っていますが、一番心を惹かれたのは、近代の産業機械
 近代の造船設備だった「小菅修船場跡の曳揚げ装置」を見ると、明治時代、祖父が大阪で修行をしたという造船所が思い起され、明治8年に作られた「足踏旋盤」を見ると、祖父が、大阪の造船所で修行後、故郷へ持ち帰り発動機の修理から始めたという、「手回し旋盤」に重なります。
 実際に、今回「つくで高原!発動機祭り!」の帰りに、私は犬山市の博物館明治村へ寄り道して、この「足踏旋盤」と、明治時代の「手回し旋盤」を見てきました。

 こうした貴重な「機械遺産」を、後世へ遺していくことは、本当にすばらしいことだと思います当工房は、「クラシックエンジン石油発動機のミニチュア模型をつくる」という形で、その一端を担いたいと思います。

 みなさん、これからもぜひ、古き・良き・懐かしい機械遺産を、後世へ、遺していきましょう!! 

 

  
by kobas2006 | 2007-11-16 08:09 | 【ウォッチ!】日本の産業遺産

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