エドワーズ2気筒発動機(アメリカ製)の特徴と、
メンテナンスをご紹介いたします。
『エドワード発動機』 USA製 大正11年
本機は、米人エドワード氏の考案で作られたものである。
小型発動機にして両ホイルがなく、
クランクの中に一個の小型ホイールが付いている。
一馬力半から六馬力まで出力の機種がある。
1922(大正11)年より前になるとマグネットと構造の仕組みが少し変わっている。
珍しい形で日本では現在2台しか発見されていない。
メンテナンスをした本機は、昭和60年に発見されたものである。
資料としては、大正11年の農事試験場小型石油比較試験の表に掲載されている。
(ちなみに、その表には海外製の掲載が多いが、
日本製ではヤンマーの変量式発動機を作る前の石油縦型製発動機と
カルイ発動機は初期型の空冷式発動機が掲載されています。)
(写真下:エドワーズ6馬力、二気筒発動機のメンテナンスをします。
この機種は、1.5馬力から6馬力まであった発動機です。)

(写真下:ヘッドを外して二分割にしたところ。上の穴は二気筒用マフラーの穴です。バルブも二気筒用に左右に並んでいます。)
(写真下:ヘッドを二分割してメンテナンスを行います。)

(写真下:それぞれに耐熱用パッキンを試作。)

(写真下:二気筒なので、ヘッド取り付けボートは6本あります。)

(写真下:ガスケットパッキンをはめて、ヘッドを取り付けます。)

(写真下:マグネットのメンテナンス。コイルを巻き直して、アマチュアをくみ上げたところです。)

(写真下:ボッシューマグネットのU字型の磁石を着磁します。磁石の材質が良く磁力が復活しました。古い磁石の材質が良くなければ、着磁しても磁力が回復するのは難しいです。)

(写真下:ロバートボッシュのマグネットメンテナンスが終わり、組み立ても完了。このタイプのコンタクトは巧妙に作られています。コンタクトの裏側にスリップリングがあり、ここで二気筒用点火の分配が行われます。)

(写真下:本体前面の上には、二気筒なのでマフラーが二個あり、下側の二個のノブ(空気調節弁)が吸入口になります。この奥にコニカルエアーサクションがあり、ここから燃料が送り込まれるようになっています。速度調節器はガバナーの突起をダイヤル式にてあり、これを回すことで速度の調節ができるようになっています。)
以上が、大変貴重なエドワーズ2気筒発動機(アメリカ製)の特徴と、
メンテナンスをご紹介でした。