【報告】第2回「備後一宮・吉備津神社 発動機運転会」(広島県)その③ 2012.5.13

 【祝!パーフットご夫妻(イギリス)来日歓迎&
               小林式木炭ガス機関推薦産業遺産認定記念】
 


   
              響け 郷土に発動機の音
           第2回 備後一宮・吉備津神社発動機運転会
                 (広島県福山市新市町)
                 ~2012年5月13日(日)~
                       その③


 2012年5月13日、昨年に続きまして、小林式木炭ガス発動機製造メーカー、小林兄弟鐵工所(当時芦品郡新市町)創業地にあります、「備後一宮・吉備津神社」の境内にて、発動機運転会が賑やかに開催されました。
 この度の吉備津神社運転会は、お祝いごとが重なった、活気あふれる発動機運転会となりました。
 ひとつ目は、イギリスの発動機コレクター、パーフットご夫妻が吉備津神社の発動機運転会に参加されるため来日くださったこと、二つ目は、一週間後の産業考古学会で、小林式木炭ガス機関と製造関連技術資料が「推薦産業遺産」に認定されることになったことです。
 その模様を前回その②に続きまして、出展発動機を中心にご紹介して参ります。


出展発動機の模様

 始動式後、いよいよ吉備津神社発動機運転会が開幕し、愛好家の方々が持ち寄った数々の発動機にエンジンがかかりました!
(写真下2枚:四国と愛知県からご出展の発動機愛好会。)
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(写真下:手前は小林発動機、となりはトバタ。いずれもご所有者松井氏(広島県)のお気に入り発動機。)
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(写真下:岡山県の岩田君。小学生ながら上手に始動!)
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(写真下:茨城県の辻谷氏。看板に「低速村」とあるように、ディゼルをいかに低速で回すかと、余念がありません。)
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(写真下:岡山県の池田氏。ご所有の12馬力を低速で回すよう、整備も十分。)
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(写真下:香川県の藤岡氏。お気に入りの発動機は、イギリス製のナショナル。)
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(写真下:高知県の秋山氏。)
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(写真下:埼玉県の酒井氏。ご所有のヤンマーとサカイ12馬力。ご自分の名と同じ「サカイ」で、しゃれてますね。)
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(写真下:初めてご参加の広島県の小野氏。)
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(写真下:前日よりご夫妻で広島県入りされた新潟県の白井氏。)
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(写真下:熱心な発動機談議に花が咲く真壁氏。アメリカ製サンドウィッチ1.5馬力。)
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(写真下:昨年もご参加いただいた、大阪府の溝端氏。)
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(写真下:長野県の高橋氏。)
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(写真下:本元氏。)
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(写真下:愛知県の横井氏。前日から広島県入りで、ヤンマーS型の重い発動機を持ち込んでくださいました。)
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(写真下:佐賀県の岡島氏。森下氏に、「何を持って行きましょうか。」とご相談のうえ、「デービットさんも珍しく思われるから」と、焼玉式発動機10馬力を持ち込んでくださいました。トラックで運ぶにはちょうどの大きさです。)
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 今回の発動機運転会を後方よりご支援くださり、無事成功へ導いて下さった方々にも、心より感謝申し上げ、ここにご紹介いたします。
(写真下:私の小学校時代の同級生の方々が中心となって結成した、新市手打ちそば同好会の実演販売。昨年同様、素晴らしい技と、美味しいおそばを堪能できました!)
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(写真下2枚:このたびの運転会で、発動機の運搬や交通整理など、機材と従業員を派遣して下さった御池鐵工所のみなさま。)
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(写真下:吉備津神社発動機運転会を大成功に導いてくださった、実行委員会のみなさまと。おかげさまで素晴らしい運転会が大盛況のうちに、無事終了しました。)
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 最後になりましたが、ここにご紹介しきれない方々を含む発動機愛好家のみなさま、ご見学にお越しくださいました方々、取材下さいましたプレス・報道の方々、このたびはご参加くださり、本当にありがとうございました。
 
 吉備津神社と関係者の皆様のご好意に心より感謝申し上げ、今後も地元地域のご発展を心よりお祈り申し上げます。


《後日談 ~パーフットご夫妻からのお手紙~》
 発動機愛好家の方々が丁寧にレストアされ、大切に動態保存されているレトロな発動機の数々をご覧いただき、イギリスへ帰国されたデービット・パーフット氏より、先日お礼のお手紙を頂きました。

 
 その中で、今回の発動機運転会を見て、一番興味深かったのは、イギリスのエンジンショーでは、大形のトラクターやスチームエンジン、トラックや車などが色鮮やかに塗装されて展示されることが多いそうですが、ここでは、塗装されていない小形エンジンがほとんどで、再駆動させるためのレストアに力が注がれている、ということだったそうです。 イギリスでも、そういった、レストアに重点をおいたショーが徐々に増えているとのことです。

 また、発動機運転会で開会式を行うことがすばらしく、人々がひとつになり、地域社会のイベントとなっている、と。

 
 それに、デービットにとって特別だったのが、小林式木炭ガス機関の実動を目にすることができたことだったそう。ヨーロッパにもこういったガス機関がいくつか残っているそうですが、それらはほとんど博物館に展示されていて、動く状態にないものばかりなので、こういった機関が動くのを見たのは初めてだったそうです。(デービットが、英語のエンジンサイトに、今回の発動機運転会について、ご報告くださっています。)

 
 私たちにとっても、パーフットご夫妻をお招きできたことは、国際交流の面でも、大変意義深いものとなりました。
 欧米のように、広大な土地で畜産農業を営むことが難しい日本では、大形トレーラーやトラックなどは使われてこなかったので、イギリスのエンジンショーとは、“懐かしいエンジン”が違うのでしょうね。

 でも、日本に初めて入ってきたエンジンはヨーロッパからもたらされ、大変高価な大形の工場用だったものが現在も産業遺産として保存されていますし、国内で製造され、汎用となった小形発動機も、やはり高価でとても大切なものでした。

 私たちの世代は、前の世代からの“モノを大切に”する心が、身体にしみ込んでいるもの。

 これからも、先祖が大切に思いを込めた発動機をはじめとする“いにしえのモノ”を、後の世代に、先祖の思いと一緒に、こうして地域や愛好家の皆様と共に、保存し、生かしていけたらと思います。

by kobas2006 | 2012-06-12 14:16 | ●【報告】発動機運転会編

小林喜久子【コバスモデルエンジニアリング代表】元発動機専門メーカーの女性直系子孫が石油発動機エンジン模型を製造販売 


by kobas2006