2009年 12月 14日
【特集】ロットメタルを修理します!その①
【 特集 ロットメタルを修理します!】
その① ヤンマーディーゼル「HF-6」26馬力
当工房では、オリジナルミニチュア石油発動機KOBASのほか、年代物・実機の石油発動機の部品修理等を行っております。
ブログでは、これまでに『マグネトー』の修理について、連載して参りました。
今回は、発動機が運転中、もっとも摩耗しやすい部品のひとつ『ロットメタル』の修理をご紹介いたします。
(写真下:ヤンマーディーゼル「HF-6」26馬力。)

まずは、上の写真をご覧ください。
今回、ロットメタルの修理を行う大型の発動機、ヤンマーディーゼル「HF-6」26馬力です。
始動の際、ハンドルを使用することもありますが、ホイールを回すにはかなりの力が必要で、なかなか回りにくいため始動までに至らないこともあります。
その場合、圧縮空気を利用して、始動させます。この方法は、明治時代から、大型の瓦斯発動機にも多用されました。
メタル修理 手順①
(写真下:天井クレーンを使い、ロットを吊り上げて、ピストンを抜く模様。)

メタル修理 手順②
(写真下2枚:ピストンを引き抜いて、調整する模様。)


メタル修理 手順③
(写真下2枚:メタルインゴット(写真1枚目左側)を割り、鉄製鍋に入れ、瓦斯バーナを使用して溶かす。)


メタルの量により、使用する鉄製鍋の大きさを決めます。
溶かしたメタルへ注ぎ足しはできませんので、必要量を正確に、一度で溶かすことが大切です。
鍋で溶かした後、メタルから出るカスは取り除きます。
次に、メタルガイドに溶かし込み、冷えるまで自然に待ちます。その後ガイドからメタルをはずし、内径を削り込みます。
メタルインゴットは数種類ありますが、当工房では、ディーゼル発動機や石油発動機などを種類別にし、メタルの種類をより分けて使用しています。
メタル修理 手順④
(写真下:内径を削り込んだメタルを、メタル削りの工具を使用して、クランクシャフトに合うように削り込む。)

これは手作業となるため、根気のいる、時間がかかる作業となります。
つづきは、その②をお楽しみに~。